さわら食文化
さわらの食文化を伝える芦屋町。
でもさわらってどんな魚なの??、どんな歴史があるの??
と疑問をお持ちの皆様にお答えします!
さわらの食文化、おいしい食べかたなどを、3つの秘密と番外編でご紹介!
秘密1.鰆とは
鰆とは????
鰆の主な産地
データは政府がまとめた平成22年の全国のサワラ漁獲量でこの年は福井県が最も多く、次いで京都、石川、福岡と続く。 全体的に北陸から山陰にかけての日本海側で沢山獲れている。
刺身の王様 鰆
寒鰆は脂肪が14~16%に達し、インドマグロの様にトロリとした食感を味わう事が出来る。通常、皮をつけたまま造りにする。 これは皮と身の間の独特の香りを生かす為と、やわらかい身肉のため。サワラの刺身は漁師か、その近くの人々に限られるようだ。「鰆の刺身は皿までなめる」という俗諺もある。
「サワラ」は、北海道南部・韓国から、南日本・台湾にかけて分布している。産卵場所は中国の渤海湾と言われており、近年、中国からの輸入が激増している。 中国船は、福岡港(博多港)に入港することが多く、博多の魚市場には輸入「サワラ」が山積みされている。 瀬戸内海でも多く見られ、全長1メートルにも達する大型魚で、背中一面に斑点が数多く見られるのが特徴の一つ。 「サワラ」は、沿岸の濁った水を好み、海表から5メートルくらいの層を群れをなして泳ぐ。 純食肉性で、イワシ・サバ・サンマなどを好んで食べているようです冬場は深みに移る。 4月~5月ころに、内湾に入って産卵する。
お魚情報館
http://www.eonet.ne.jp/~namadu/home/sawara.htm
春が旬の魚なので「鰆」と書き、俳句でも春の季語となっている。これはサワラが晩春から初夏にかけて産卵のため瀬戸内海に押し寄せてきて沢山獲れる時期になるから。この時期春先から初夏にかけて、土佐に始まり和歌山や岡山などの漁期にあたりる。こういった地方では古くからこの時期にサワラを獲って食べていたため、真子や白子と共に食べる文化があるため、この時期が旬とされている。しかし関東などでは主に白身の味を楽しむほうが主体なため、「寒鰆」と言われる産卵期前の脂がのった12月~2月の真冬が旬とされる。
旬の食材百貨 http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/sawara.htm
鰆(さわら)の歴史
鰆とゆかりのある人物
貝原益軒(かいばら えきけん)は江戸時代の本草学者、儒学者である。1630年12月17日(寛永7年11月14日)に筑前国(現在の福岡県)の福岡藩士、貝原寛斎の五男として生まれる。通称は久兵衛。18歳で福岡藩に仕えるが、1650年、2代藩主・黒田忠之の怒りに触れ、7年間の浪人生活を送ることとなる。1656年27歳になり、3代藩主・光之に許され、藩医として帰藩。翌年、藩費による京都留学で本草学や朱子学等を学ぶ。7年間の留学の後、1664年35歳の時、帰藩し、150石の知行を得、藩内での朱子学の講義や、朝鮮通信使への対応をまかされ、また佐賀藩との境界問題の解決に奔走するなど重責を担った。藩命により『黒田 家譜』を編纂。また、藩内をくまなく歩き回り『筑前国続風土記』を編纂する。
70歳で役を退き著述業に専念。著書は生涯に60部270余巻に及ぶ。主な著書に『大和本草』、『菜譜』、『花譜』といった本草書がある。
1714年10月5日(正徳4年8月27日))没。
彼が出版した当時の代表作
「大和本草(やまとほんぞう・1709年)」にも、「馬鮫魚(さわら)あり、曰く魚太なれども腹狭し、故に狭腹(さわら)と 号(な)ずく、サは狭小なり」 と紹介されています。
この本草は、多くの和漢の薬草や食べ物などの名前はもちろん、来歴や形状、効能までを紹介している書物である。
語源と由来
サワラは漢字にすると、魚へんに春と書いて「鰆」と書きます。この鰆という漢字はサワラが春先に多く収穫されることを表していて、サワラは春の季語とされています。春を告げる祝い魚として日本では古来より珍重されてきました。特に西日本では冠婚葬祭の魚といえば鰆が定番です。煮物や焼き物など、懐石料理にもつきものの魚です。このため一般的には、サワラは春が旬の魚だと思う人も多いですが関東地方では、10月から次の年の3月までの寒い時期もサワラは旬であるとされています。
生態
北海道南部・沿海地方から東シナ海まで、東アジアの亜熱帯域・温帯域に分布する。これらは日本海南部・黄海・東シナ海に分布する系群と、瀬戸内海から西日本太平沿岸に分布する系群の二つに分けられます。前者は黄海、後者は瀬戸内海を産卵場としています。
春から秋にかけては沿岸の表層を群れで遊泳するが、冬は深場に移ります。食性は肉食性で、おもにカタクチイワシやイカナゴ等の小魚を捕食します。
特徴
馬鮫(さわら)頭が尖がり目は大きく、えらはかたく鱗はない。青色で青斑円紋がある。また背文が無いものもあります。尾端に刺ひれがあり大きいのこぎり歯のようである。大きなもので三尺。最大では全長115cm・体重12kgの記録があります。また、メスの方がオスよりも大型になることがあり、近縁種も含めサバ科の仲間でも特に前後に細長い体型で、左右に平たい。
そのため和名では
腹が狭くほっそりとした体型であり、漢字で「狭腹」の字が当てられることもあります。若魚のサゴシも同様で、「狭腰」と書きます。
参考文献
- 平凡社東洋文庫「和漢三才図会 7 」1987 年出版
- ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
- サワラ wikipedia
- 鰆 語源由来辞典
秘密2.サワラ(鰆)の栄養価と効能
サワラに含まれる主な有効成分と効用
さわら(鰆サワラ)は、糖質の代謝を助けエネルギーをつくり出し疲労回復に役立つビタミンB1や細胞の新陳代謝を促進し、皮膚や粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2、また、皮膚や粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立つナイアシンやビタミンB6、動脈硬化を予防しストレスをやわらげたりする働きのあるパントテン酸そして、貧血を予防し、細胞の生まれ変わりや、新しい赤血球をつくり出すために欠かせないビタミンである葉酸やビタミンB12を含みます。さらに、抗酸化ビタミンであるビタミンEを含みますので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めてくれます。また、骨や歯を構成するのに必要なミネラルであるカルシウムやリン、マグネシウムなどを含みます。カリウムも多く含まれますので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。さわら(鰆サワラ)は、青魚などの脂肪に含まれる脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を含みますので血液をサラサラにし高血圧の予防や脳内の血管を健康に保つのに役立ち、良質なタンパク質や、レチノールも含む優れた栄養のある魚です。
可食部100gあたりの成分
他の魚と比べると、鉄、亜鉛の含有量が多い。鉄は、必須ミネラルのひとつで赤血球を構成する成分で、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ働きをしています。鉄は、貧血の予防に重要な栄養素です。鉄は細胞に酸素と栄養を届けるヘモグロビンにと って大切なミネラルなのです。これらの成分は、サワラに多く含まれています。悪性の貧血にも効果がある栄養素なので、貧血に悩んでいる人には積極的に摂り入れていただきたい成分です。亜鉛には美容効果があります。また、ホルモンの合成や分泌を助けます。
鰆の栄養価と効能
鰆の漁法(*^Ο^*)?
ひき縄釣り …とは?
「ひき縄釣り」というのは、分かりやすく言えば“トローリング”のことです。釣りの特徴としては、魚を捕獲する際、フックと言って鍵状のつめを魚に引っ掛けて捕獲します。この時に上手く頭部の硬い部分につめが引っかかればよいのですが、誤って魚のお腹に刺さってしまうとその為に鮮度が落ちてしまい、市場では“値” が落ちてしまいます。その他に産地(魚が獲れるところ)によって“エサ”や“疑似餌”を独自に考え産地ごとに特徴があります。
ちなみに芦屋では、ひき縄釣りの漁法を用いています!!
刺し網(流し刺網) とは…?
刺し網は、魚の通る棚に合わせて網を仕掛けます。底、中層、上層…
ちなみにサワラは中層です。刺し網は、網目に魚が頭を突っ込んで引っかかった魚を、昭和初期頃は船の馬力も弱く、網を巻くのも人力で行っていたため、魚の首が引っかかったまま、網を揚げずに放っておくと魚は息を引き取り、鮮度が落ちてしまいます。今では、船の馬力や網を巻き上げる機器もよくなり、網を仕掛けてから数時間で引き揚げることが出来るようになりました。網を仕掛けること自体、そんなに大掛かりではないため、少人数で漁ができます。
また、“網の目”の大きさを変えて獲れる魚を限定できます。(網目を大きくして大きな魚しか獲らないため、資源保護のため)
サワラは出世魚です!!!
出世魚:成長に伴って出世するように名前が変わる魚
成長は早く、6ヶ月で約40cm
1年半で約60cm、2年で60~80cmになる
サワラの特徴
- サワラは水から揚がるとすぐに死んでしまう。また、網に掛かっても死んでしまう。
→サワラの「活き造り」や、水族館で泳いでいるのを見ないのは、このためである。 - サワラは泳ぐのが速く、一説によると瞬間で時速100km出すそうです。他にこれだけ早く泳ぐ魚はなかなか見当辺らないため、春になると次は大体どの辺りでサワラが獲れるか見当がつくそう。
- 早く泳ぐときは、第一背びれは背中の溝の中に倒れて納まってしまい抵抗がグッと少なくなる
- 水温が16℃になるとサワラが獲れてくる
参考
秘密3.鰆の郷土料理 さわら食文化
鰆の郷土料理
- 富山県…西京漬け富山県では春に多くとれるサワラを使い、白こし味噌で味付けし、西京漬けにして食べる。
- 岡山県…サワラのこうこずしサワラの流し網漁が始まる頃、日本の浜はいちだんとにぎやかになり、陸揚げされたサワラを使 って、豊漁(ほうりょう)を祝い、漁業の安全を願って作り始められた。
菖蒲の節句、お祭り、船降ろしの時はもちろん、今では地区の集まりでも必ず出す習慣になっています。「こうこ」とはたくあんのことで、すしに添えてあったたくあんの古漬けがすしに混じったことで、こうこ を混ぜることが定番となった。 - 岡山県…祭り寿司サワラは、春を告げる魚の代表格と言われ、そのサワラが欠かせないのが、祭り寿司です。
はれの行事の席に季節の海鮮や山菜をふんだんに使ったばら寿し(ちらし寿し)を振る舞います。
お祝いのお料理をご近所に振る舞うためにお重の下に敷き詰めてから、ご飯を詰めます。そうすると、食べるためにひっくり返したときに、きれいに魚や山菜が表に現れます。 - 香川県…押し抜きずしソラマメに実が入り、麦が熟(う)れ始めると瀬戸の海はさわら漁でふるまいます。
このさわら漁の主役が押し抜き寿司で、花形(松・梅)、四角形、扇形等の木枠を使い 手で押さえて抜きます。お嫁さんが鰆をもって里帰りし、実家では押し抜き寿司を押し これを持参して婚家(こんか)へ戻るしきたりは、香川県の一部の地域で行われている。
参考
- 岡山県の郷土料理
- 香川県の郷土料理
さわらを使った加工食品を芦屋町が開発したら!!!どーなるのか?
さわらを使ってできそうな加工食品品
- ふりかけ
- 缶詰(かんづめ)
- おつまみ
(ふりかけ参考例)
特産品にすると経済効果が生まれるのはなぜか?
地元の原材料を加工した特産品を作って、販売まで手掛けることができれば、原材料のまま販売するよりも格段に儲かる、という論理です。
例えば、芦屋町がさわらを丸ごと他の地域に出荷するよりはさわらを加工し、ふりかけにして出荷すれば価格も上がり、利益にもなります。
また、そうすることで芦屋町の名前も広がり、生のさわらを求めに来る人も増えるかもしれない、ということです。
特産品を出すことの利点!
- 地元で盛んに手に入る食材で作るので比較的安価で作ることができる。
- 特産品を多くの人に知ってもらうことによって地域の名前も広がり、それを買い求めにくるお客さんや観光客が増える。
- 特産品に使用する地元の原材料を地域ブランドにすることで特産品だけでなく、その原材料を使った多くの料理やデザートなども話題にすることができる。
九州女子大学の生徒に意見を聞いてみました!Q2.もしも、さわらふりかけを販売するとしたらいくらで売りたいか。(内容量は80グラムとする。)6人の意見を平均すると358円という結果になった。Q2.さわらふりかけが売っていたらいくらなら買ってもいいなと思えるか。平均して264.3円となった。
Q1とQ2では約100円の差が出たが、たとえば内容量を減らし、270円で売ったとしたら手頃な価格で消費者は手に取るのではないでしょうか?
参考
- ゴーヤチャンプルーふりかけ
- 信濃わさびふりかけ
番外編:サワラを使った四季の料理
春:春キャベツを使って鰆の生姜焼き
~鰆と 春キャベツの生姜焼き~ 4人前
材料
- 鰆 4切れ
- たまねぎ 1/2 個
- 春キャベツ 1/4 個
- 小麦粉 適量
- サラダ油 大さじ1
- ☆醤油 大さじ3
- ☆酒 大さじ1
- ☆みりん 大さじ2
- ☆みそ 大さじ2/3
- ☆生姜(すりおろし)
作り方
- 鰆はそぎ切りにして小麦粉をまぶす。玉ねぎは薄切りキャベツは千切りに
☆の調味料を合わせておく - フライパンにサラダ油の半量を入れて中火で熱し、鰆を焼き、いったん取り出す。
- フライパンに残りのサラダ油を入れて野菜を加え、全体が少ししんなりするまで炒める。
- フライパンに鰆を戻し入れ、☆を加えて軽く炒め合わせ、器に盛る。
夏:梅を使って夏バテ回復↑↑
~鰆の梅肉醤油かけ~ 4人前
材料
- 鰆 4切れ
- 梅肉 適量
- しそ 4枚
- 白ごま 適量
- (使用調味料)
- 塩 適量
- 酒 適量
- 醤油 大さじ1
- だし汁 大さじ2
- 果実酒 大さじ1
作り方
- 鰆に塩を振って酒に浸け10分放置
- しそは千切りにする
- 醤油 だし汁 梅肉 酢を合わせてかけ醤油を作る
- 鰆の汁気を取って焼く
- 鰆を皿に盛り梅肉醤油をかけ上にしそを乗せる
- 仕上げにごまを振りかける
秋:キノコを使って炊き込みご飯
~鰆としめじの炊き込みご飯~ 4人前
材料
- 米 2合
- 鰆 2切れ
- しめじ 1袋
- うすあげ 1枚
- ☆白ごま 大さじ2
- ☆?つゆ 大さじ2
- ☆酒 大さじ2
- ☆みりん 大さじ2
作り方
- 米を洗い、ザルにあげておく
- 鰆に両面塩を振り、グリルで8分焼く
しめじは子房に分けうすあげは、油抜きをし千切りする。 - 炊飯器に米としめじとうすあげを入れて☆の調味料を入れて軽く混ぜ水を入れて鰆を入れたらスタート
- 炊けたら15分蒸らし米を潰さないように混ぜる
- もう一度5分蒸らして完成
冬:ネギソースで体温保持
~鰆の唐揚げネギソースかけ~ 2人前
材料
- 鰆 3切れ
- 塩 適量
- 醤油 適量
- 日本酒 小さじ1
- 片栗粉 適量
- サラダ油適量
- (ネギソース))
- 長ネギ 大さじ3
- 生姜 大さじ1
- トマト 1/2 個
- 砂糖 小さじ1/4
- ゴマ油 大さじ1
- 日本酒 大さじ1/2
- 豆板醤 小さじ1/4
- 酢 大さじ1
- 醤油 大さじ2
作り方
- 鰆の両面に塩をふり、5分放置
- 水気を取り一口大に切り醤油 日本酒で下味をつけて揉みこんで10分放置
- 鰆を軽く拭き片栗粉をまぶして170℃で揚げる
- ネギソースの材料を混ぜてソースを作る
- ソースをかければ完成
参考
鰆料理の栄養価
春:鰆と春キャベツの生姜焼き
夏:鰆の梅肉醤油かけ
秋:鰆としめじの炊き込みご飯
冬:鰆のから揚げネギソースかけ